大切な住まいを守る外壁。現在主流となっているサイディング外壁ですが、素材には窯業系や金属系など様々な種類があります。その中でも、最近注目されているのは金属系サイディング「ガルバリウム鋼板」です。
今回は、ガルバリウム鋼板の特徴やメリット、リフォームする際の注意点も合わせて解説します。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウムとは「亜鉛」と「アルミ」と「シリコン」を組み合わせた合金です。このガルバリウムでメッキを施した鉄を「ガルバリウム鋼板」と言います。
では、ガルバリウム鋼板の特徴について確認していきましょう。
▼軽量
ガルバリウム鋼板は、非常に軽量です。素材の厚みが0.3~0.4mmと非常に薄く、平均12〜23kg/3.3㎡程度で、現在最も採用されている窯業系サイディングと比べて約3分の1程度と、とても軽量な外壁材と言えます。
▼耐久性が高い
ガルバリウム鋼板は、耐用年数が20~30年、地震の揺れなどによる変形に柔軟に対応でき、ひび割れや脱落にも強い素材です。
▼サビに強い
ガルバリウム鋼板は、金属系サイディングの中ではサビに強い性質があります。
「亜鉛」は酸化すると、鋼板よりも先に腐食・溶け出す性質を持っているため、あえて亜鉛を犠牲にすることで、鋼板の表面が覆われ、鋼板の鉄部分にサビが発生しにくくなるのです。
そして、「アルミニウム」には、空気と接する表面部分に、薄い強力な酸化物皮膜を作る「不動態皮膜」と呼ばれる現象が発生します。この2つの相乗効果でサビを発生しにくくするのです。
▼凍害に強い
水分が凍結と融解を繰り返し、外壁材が内部から割れる「凍害」は寒冷地で多い現象です。セメント質の窯業系サイディングは凍害を起こす可能性が高い一方、ガルバリウム鋼板は吸水しにくく、凍害を起こす心配がありません。
ガルバリウム鋼板で外壁リフォームをするメリット
では、ガルバリウム鋼板で外壁リフォームするとどのようなメリットがあるのでしょうか。
▼お洒落なデザイン
金属特有のシンプルさが建物の外観をモダンかつスタイリッシュに仕上げます。純和風建築のリフォームであってもモダンな雰囲気は馴染みやすいため、お洒落に仕上がるでしょう。
さらに、デザインのバリエーションが豊富で、木目調・石積調などのデザインの施された外壁もあり、ナチュラルな仕上がりも可能です。
▼張り替えによる耐震性の向上
既存の外壁材を剥がしガルバリウム鋼板でリフォームを施す張り替えは、建物自体を軽量化に導きおのずと耐震性も高まります。
▼カバー工法が採用できる
カバー工法とは、既存の外壁をそのままに新しい外壁を施すリフォーム方法です。ガルバリウム鋼板は軽量ですので、建物への負担を最小限に抑え、さらに既存外壁材のの断熱性などを維持したままリフォームできます。なお、撤去・処分費も発生しないため費用も比較的安く、施工日数も短縮が可能です。
▼コストパフォーマンスに優れている
ガルバリウム鋼板の日頃のメンテナンスは、定期的に優しい水で洗い流すという安価な方法で行えます。また耐用年数が長いので、次回のリフォームが必要になるまでの期間は長く、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板のデメリットや注意点は?
ガルバリウム鋼板は魅力的なメリットが揃っていますが、やはりデメリットや注意点は存在します。サビに強い素材ではありますが、サビが発生する環境は劣化を早めてしまいますので注意が必要です。
カバー工法の注意点として、既存外壁がトタン等の金属系の場合は経年劣化で錆びている可能性があり、そこに接するように施工を行うと「もらいサビ」と呼ばれるサビの拡大が起こります。したがって、既存外壁が金属系の場合は、張り替えがおすすめです。
また、素材が薄いため施工の際に傷が付きやすく、そこからサビが発生する欠点もあります。家庭用の高圧洗浄機の洗浄でも凹みや傷がつきますので注意しましょう。
そしてお住まいの地域が潮風にさらされる海沿いの場合は、白サビが発生する可能性が高くなります。耐用年数は通常よりも短縮されると覚えておくといいかもしれません。
サビ以外にも、結露が発生しやすい、遮音性・断熱性が期待できないといったデメリットがあります。張り替えを行う場合は、断熱材と一体になったガルバリウム鋼板を採用すると良いでしょう。もし断熱性・遮音性を気にされるようであれば、張り替えではなくカバー工法の選択をおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ガルバリウム鋼板は他にはない魅力があり、とても興味深い素材です。
ガルバリウム鋼板で外壁リフォームをしてみたいとお考えの皆さんは、ぜひ住宅生協にお問い合わせください。