家のコラム

家に被害を与えるシロアリとは?種類や傾向について解説

住宅に発生すると家屋に大きな被害をもたらすシロアリ。

基本的には熱帯・亜熱帯地域に住む昆虫ですが、日本にも生息しています。枯れた木材や落ち葉を食料や巣の材料としており、世界で約3,000種いるうちの一部の種類が家の柱を食べてしまうなどして家屋に被害をあたえることで知られています。

大切な住まいがシロアリによる被害にあってしまう前に、シロアリの種類や特徴について知っておきましょう。

日本で被害をあたえるシロアリの種類

日本で家屋に被害をあたえるシロアリは主に2種類に分けられます。それが地下シロアリと、乾材シロアリです。

どちらも階級制があり、女王アリと王アリを中心にコロニーと呼ばれる集団を形成して生活しています。

シロアリの被害を防ぐためには、まずはその特性を知っておくことが重要です。それぞれどんな特性があるのか詳しくみていきましょう。

地下シロアリ

地下シロアリは、一般的によく見るシロアリです。土壌に生息していて、蟻道と呼ばれるトンネルを作って家に侵入してきます。乾燥に弱く、暗くて湿った場所を好むのが特徴です。

一匹一匹は比較的とても小さいのですが、一つの巣に数十万〜数百万匹が生息していることもあり、家屋に大きな被害を与えます。

日本では、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類がこの地下シロアリにあたります。

乾材(かんざい)シロアリ

乾材シロアリは、土の中を通って侵入する地下シロアリと違い、飛来によって侵入したり、すでに被害にあっている建材や家具などを持ち込んでしまうことによって家屋に侵入します。地下シロアリのように多湿を好まず、水分を必要としないため、乾いた木材の中でも生息できるのが特徴です。

地下シロアリと比べると一つの巣に生息する数は少ないものの、たくさんの巣ができているケースが多く駆除が難しいといわれています。

日本ではアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの2種類が生息しています。

シロアリは蟻ではない?

名前に「アリ」がついているため、アリの仲間だと思う方も多いのですが、実はシロアリはアリの仲間ではありません。生物学上はゴキブリの仲間とされています。食事や住む場所もゴキブリとは違いますが、先祖をずっと辿っていくとゴキブリに行き着くようです。

対してクロアリはハチの仲間で、シロアリの天敵。名前に同じアリのつく昆虫ですが、仲間ではないのですね。

シロアリを普段見かけない理由

シロアリは日当たりの悪いところや湿気が多いところを好みます。そのため、床下や木材の中などの普段目にしない場所に生息していることが多いです。また、蟻道を作ってその中を移動することもシロアリを普段見かけることがない理由のひとつです。

シロアリの大好物は人間の建物

シロアリは木材を好みます。木材に含まれるセルロースという繊維を栄養源としているのです。特にマツなどのやわらかい木材や枯れた木を好みます。また、乾燥や寒さには弱いので、湿度があって温かい建物はシロアリのエサとなりやすいのです。

しかも木材以外にも、ダンボール、発泡スチロール、プラスチックといったものまで食料にしてしまうこともあるのです。

コンクリートや鉄骨でもシロアリ被害にあう

シロアリは木材を食べるから、コンクリートや鉄骨の住宅であれば安心!と思う方もいるかもしれませんが、実はコンクリートや鉄骨の家でもシロアリ被害にあう可能性はゼロではありません。木造住宅は柱や土台といった部分にシロアリが発生することが多いですが、コンクリートや鉄骨の住宅でもフローリングや畳といった内装に木材をしようしていることも多くあります。シロアリはわずかな隙間を見つけて通ったり、蟻道を伸ばして木材のあるところまで侵入していくこともあるのです。

加圧注入材を使っていてもシロアリ被害にあう

加圧注入材という特殊な処理を施して防腐・防蟻効果のある薬剤を木材の内部まで浸透させた木材があります。緑色の薬剤を浸透させているため「緑の柱」と呼ばれることもあるようです。この緑の柱を使っていればシロアリの発生を防ぐ効果はありますが、絶対にシロアリ被害にあわないかといえばそうではありません。

加圧注入材に使用されている薬剤にはシロアリの体内に生息している原生生物を殺す効果があります。この原生生物が寄生していないと生きていけないシロアリは、原生生物が死んでしまうことにより木材を体内で分解することができなくなりやがて死んでしまうのです。

ただし、シロアリがこの薬剤を口にしない限りは効果が発揮されないため、加圧注入材を使っていてもその木材をシロアリが素通りし別の防蟻処理をしていないフローリング材などに被害を及ぼすこともあるのです。

シロアリがいるかどうかの確認方法

シロアリは普段目につかないところに生息しているので、気付かないうちに被害が拡大してしまっていることもあります。そのため、定期的に点検することをおすすめします。まずは自分でできる点検方法を覚えておきましょう。

【地下シロアリ】

一番の侵入経路となりやすい床下をまず点検しましょう。床下に入る場合には、マスクや手袋などをつけて怪我に注意しましょう。シロアリがいないか、蟻道がないか、木材が腐っていたりしないかを確認します。

他にも玄関周りの土や木材部分も被害にあいやすい場所なので点検しておきましょう。

室内は壁や柱を叩いて音を確認することで被害がないか点検することができます。

【乾材シロアリ】

乾材シロアリは、地下シロアリと比べると繁殖のスピードが遅く、発見や駆除が難しいため被害が大きくなりやすいので注意が必要です。

また、日本の建築基準法では地盤面から1メートルまでの構造材には防蟻処理が義務付けられていますが、乾材シロアリは土壌以外のところから侵入してくるため完全に防ぐことが難しいのです。

乾材シロアリの点検方法は、柱の周りにフンや木くずが落ちていないかを確認してみましょう。

木材に穴を開けて内部に侵入する際にその穴から木くずやフンを落とします。一見砂が積もったように見えますが、それが木くずやフンである可能性があります。

そして地下シロアリと同じく、木材の内部が食害にあっている場合には叩くとポコポコといった軽い音がします。

また、透けた黒色の羽が落ちている場合にも乾材シロアリが発生している可能性が高いです。

シロアリがいるとわかったら業者に依頼しよう

万が一シロアリを発見した場合、または発生しているかもしれないと感じた場合には、自分でなんとかしようとせずに早急に業者に相談することをおすすめします。なぜなら、自分で駆除しようとして間違った方法でしてしまった場合シロアリが逃げて散らばり、余計に被害が拡大してしまう恐れがあるからです。

安心して住み続けられるよう、プロにお任せして完全に駆除してもらいましょう!

まとめ

いかがでしたか?

シロアリ対策は予防と早期発見が大切です。住宅生協ではシロアリの防除や駆除も承っています。お気軽にご相談ください。

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