雨漏りというと、屋根から起こるものと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、家の外壁も雨漏りが発生しやすい場所の一つとなります。
家の外壁は雨や風邪、紫外線や暑さ、寒さなどにさらされているため色々な要因が組み合わさることで外壁からの雨漏りが生じる可能性があります。
なぜ外壁から雨漏りするのか
外壁から雨漏りが発生する原因は以下の4つが挙げられます。
①施工不良
②経年劣化
③台風や地震の影響
それぞれ詳しく解説していきます。
施工不良
外壁の雨漏りの要因の1つが「施工不良」です。ある調査では、戸建住宅における不具合相談件数の第一位に施工不良が挙げられるほど、施工不良は珍しいものではありません。
施工不良による外壁からの雨漏りは、建物の施工過程で発生する欠陥や、誤った手法に起因します。家を建てたばかりなのに、外壁からの雨漏りが見られた場合は、まず施工不良が原因の可能性があります。
また、施工不良には以下のような要因が見られます。
・施工時に防水材料の適切な塗布が行われなかった
・接合部や継ぎ目のシーリングが不十分だった
・外壁の施工過程での正しい手順が守られていなかった
このような場合には、すぐに業者に連絡して不具合部分を確認してもらうことが必要です。
経年劣化
外壁の雨漏りの要因2つ目に「経年劣化」が挙げられます。
建物の外壁は、長期間の雨風や自然環境の影響を受けて劣化してしまいます。
時間の経過と共に、防水塗装やシーリング材の劣化、外壁に使用される金属部品の腐食等が発生しやすくなり、それによって外壁に亀裂が生じることなどで、雨漏りが引き起こされます。
定期的なメンテナンスや修繕を行うことで、経年劣化による雨漏りを予防することができます。
台風や地震の影響
外壁の雨漏りの要因の最後は「台風や地震の影響」です。梅雨による長雨の時期や、台風によって激しい雨風にさらされた場合には、雨漏りが発生しやすくなるため、注意が必要です。
長期間の雨による防水層の破損や剥がれ、強風による外壁材やサイディングパネルの損傷など、これらの不具合によって雨漏りが引き起こされます。
また地震は、建物の構造に大きな負荷をかけます。地震によって建物が揺れると、外壁材や接合部がひび割れたり、破損したりすることがあります。
これらの事象によって雨水が外壁内部に浸透し、雨漏りを引き起こします。災害後には、早急な修繕や補修を行うことが雨漏りを予防するためには有効です。
外壁で雨漏りの影響を受ける主な場所
家の外壁の中でも雨漏りを受けやすい場所があります。
ここでは、雨漏りの被害を受けやすい箇所について解説します。
家や建物の外側にある壁(外壁)
外壁の接合部分には、シーリング材や防水処理が施されています。
これらは年月が経つにつれ経年劣化していくため、施工不良が見られる場合もあります。
こうしてできた隙間により、雨水が侵入してしまう可能性があります。
換気口
換気口周辺の外壁にはシーリング材が施されています。このシーリング材は外壁と換気口の隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐ役割を果たしています。
しかし、経年劣化や台風などの気候条件の影響により、シーリング材が劣化したり剥がれたりすることがあります。
ここから雨水が外壁内部に侵入し、建物内部に漏れることで雨漏りが発生します。
窓サッシ
窓サッシの外枠や、ガラスと周囲の壁との接合部にもシーリング材が使われています。これらのシーリング材も経年劣化や気候条件の影響により劣化していきます。
また、窓は日当たりのよい場所に作られるため、シーリング材が紫外線によって劣化することも多く見られます。
さらには、サッシを固定している釘やビスなどが緩んだり変形してしまうことによっても、雨漏りを引き起こす原因にもなります。
ベランダ
外壁の雨漏りリスクが高い場所として、ベランダが挙げられます。それはベランダと建物の接合部分にはつなぎ目が多く存在しているためです。
手すりと外壁とのつなぎ目や、防水層と外壁のつなぎ目などは、シーリング材で隙間が埋められています。ベランダは日当たりも良いので、シーリング材の劣化も早い場所です。
また、雨樋のつなぎ目も注意が必要な場所です。雨樋のつなぎ目が破損していると、雨水がうまく排水されず、外壁に伝わって流れてしまいます。
外壁塗装をすると雨漏りは直る?
外壁塗装は雨漏り対策になると耳にした方も少なく無いのではないでしょうか。
ここでは、実際に外壁塗装が雨漏りの対策に効果があるのかについて紹介します。
外壁の雨漏りは外壁塗装で修復できる?
結論から言うと、一度起こってしまった雨漏りの修復に外壁塗装をしても改善はされません。外壁塗装は、あくまで雨漏りになる前の「予防」という位置づけになります。
外壁塗装の本来の目的は外壁の「表面」を保護するものです。
そのため、一度雨漏りが起きたということは外壁を通り抜けて内部まで雨水が侵入しているということなので、外壁の表面の保護をしても意味がないということになります。
雨漏りが発生したら、業者に依頼をして外壁内部を見てもらい適切な対応を行うことをおすすめします。
外壁からの雨漏りが発生した場合どうしたら良い?
それでは、外壁からの雨漏りが発生した場合、どのような解決策があるのでしょうか。
詳しく解説します。
シーリング材打ち替え
シーリング材は防水の観点からとても重要な部分になりますが、同時に最も傷みやすい部分でもあります。そのため、定期的なメンテナンスも必要となってきます。
まずは、剥がれている、亀裂が入っているなどのダメージを受けている箇所を確認し、古いシーリング材を丁寧に剥がします。シーリング材の種類によっては専用の剥離剤や工具を使用します。
そして適切なシーリング材を適用し、施工します。シーリング材が均一に広がるように注意し、亀裂や隙間がしっかりと埋められる必要があります。
サイディングの張り替え
劣化したサイディングにより雨漏りが発生している場合には、サイディングの張り替えをすることで雨漏りを直すこともできます。
剥がれたり破損している部分を確認し、必要に応じて補修、または交換を行います。
サイディングの張り替え後に、シーリング材を適切に補修することも必要です。
また、張り替え後に定期的なメンテナンスをすることで、雨漏りのリスクを低減することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
外壁からの雨漏りは、屋根からの雨漏りに比べて気付きにくく、気付いた時には損傷が激しくなっている場合があります。
また外壁は、常に厳しい環境にさらされていることもあり、劣化も進みやすい場所です。
破損箇所がないかを定期的にチェックしておくことで、大きな被害になる前に雨漏りを防ぐことができます。
もし雨漏りをしてしまった場合は、適切な処置を施し、大切な家を守りましょう。