家のコラム

屋根工事のルーフィング(防水シート)とは?概要、種類や耐久性を解説

屋根工事の際に、重要な「ルーフィング」をご存知ですか?

ルーフィングとは、屋根材の下に敷く防水シートのことをいいます。なぜこのルーフィングが重要なのか、ルーフィングの役割や種類などを詳しく解説していきます!

ルーフィング(防水シート)とは

ルーフィングとは、下葺き材と呼ばれることもある「防水シート」のことです。

普段は屋根材の下に隠れていて目に入ることがないので知らない方も多いかと思いますが、とても重要な役割を果たしています。

ルーフィング(防水シート)の役割

ルーフィングは防水シートなので、「防水」が主な役割です。瓦やスレートなどの屋根材には、どうしても隙間が生まれてしまうため完全には雨水の侵入を防ぐことができません。そこで、屋根材の下にルーフィングを敷くことで屋根裏へ水が入らないように守り、屋根材の隙間から入ってしまった雨水を軒先へと流す役割を果たしているのです。

ルーフィング(防水シート)が必要な理由

野地板と呼ばれる屋根を乗せるための下地はほとんどが木材でできています。そのため、屋根材の隙間から雨水が侵入するとそれを吸い込んでしまい、腐食や雨漏り、シロアリの原因となってしまいます。それらを防ぐためにも、屋根材を乗せる前に野地板にしっかりとルーフィングを敷いておくことが重要です。

ルーフィング(防水シート)の種類とメリット・デメリット

ルーフィングには様々な種類があり、使う素材によってそれぞれメリット・デメリットがあります。どんなものがあるのか、種類ごとに詳しくみていきましょう!

アスファルトルーフィング

現在、一般的に広く使われているのがこのアスファルトルーフィングです。フェルト状の原紙にアスファルトを染み込ませたもので安価なのがメリットですが、気温によってやわらかくなったり硬くなったりを繰り返すため、劣化しやすく耐用年数が10年ほどと比較的短いというデメリットがあります。

改質アスファルトルーフィング

先ほどのアスファルトルーフィングをより耐久性を高めて改良したものがこの改質アスファルトルーフィングです。アスファルトの欠点である温度によって劣化しやすい点を克服するため、アスファルトにゴムや合成樹脂、ポリマーやプラスチックといったものを混入させて耐久性を高めています。これにより耐久性は20年以上と先のアスファルトルーフィングの倍以上となっています。耐久性が高いのがメリットですが、透湿性(水蒸気を内側から外側に出す性能)がないため結露しやすいというデメリットもあります。

粘着式ルーフィング

通常、ルーフィングを野地板に設置する際はホッチキスのようなタッカーを使用します。ですがこの方法ですとわずかでも穴をあけることになるのと、針の部分が劣化しやすいという弱点があります。その弱点を克服したのがこの粘着式ルーフィングです。

粘着式ルーフィングは裏面が粘着シートになっているので、直接野地板に貼り付けることができます。貼り直しもできるため、施工がしにくい複雑な形状の屋根に有効です。

メリットは防水性に優れていること。デメリットとしては高価であることと、湿気を逃しにくいことがあげられます。

高分子系ルーフィング

高分子系ルーフィングは合成ゴムや塩化ビニールを原料としたルーフィングシートです。アスファルトと違って軽量で伸縮性が高いのが特徴です。安価で扱いやすいのがメリットですが、耐用年数が約15年と短めなのがデメリットになります。

透湿ルーフィング

透湿ルーフィングは湿気を逃すことのできる防水シートです。住宅内部が結露しにくくなるので高温多湿の日本には向いている素材です。ただしコストがとても高いのが難点です。通気層を設置しなければいけないため現在、外壁に使われることはあるものの屋根に使われることはほとんどないようです。

遮熱ルーフィング

表面にアルミの反射板をつけることで高い遮熱性を発揮することができるルーフィングシートです。室内の温度が上がることを防ぐことができるため快適に過ごせる上、エアコンの光熱費の節約にも繋がります。高い知識や施工技術が必要であったり、使える屋根材の種類が限られてしまうことがデメリットといえるでしょう。

不織布ルーフィング

原料のベースに不織布を使用しているものを不織布ルーフィングといいます。紙のベースと違って破れにくく耐久性が高いのがメリット(耐用年数は約30年)ですが、高価なのがデメリットです。不織布ルーフィングは近年注目されており、施工件数が増えてきています。

ルーフィング(防水シート)施工の注意点

ルーフィング選びで重要なのは、「耐用年数」と「価格」です。基本的には価格を下げると耐用年数が短くなるので、メンテナンスの回数が増えることになります。

ルーフィングを交換するためには屋根材を全て撤去しなければなりません。しかも屋根材は瓦以外のほとんどの素材が一度撤去すると再利用することができないのです。そのため屋根材よりも耐用年数の長いルーフィングを選ぶことが大切です。

その他の注意点も合わせて確認しておきましょう。

新築時のルーフィング施工

普段見えないところにあるので、ルーフィングの存在を知らなかったという方も多いと思いますが、屋根には必ずルーフィングが必要です。

特に分譲住宅やローコストの注文住宅などは、建築費用を抑えるためにアスファルトルーフィングを使用しているところが多いです。新築住宅を建てる際には、必ずルーフィングの種類も確認しておくとよいでしょう。

見積をしっかり確認する

ルーフィングの重要性をあまり認識していない業者ですと、ルーフィングについての説明がないかもしれません。しかし、ルーフィングにはとても重要な役割がありますので、適切なルーフィングが使用されているか、価格は問題ないか、しっかりと見積もりを確認しておく必要があるでしょう。

まとめ

ルーフィングについて、種類やそれぞれの特徴についてご紹介しました。

それぞれメリットもあれば、デメリットもありましたね。

屋根の工事をする時はぜひ本記事を参考にしてみてください。また、自分の住宅にはどのルーフィングが最適なのかは専門の業者とよく相談してから選ぶとよいでしょう。快適に生活をするためにも後悔のない選択をしたいですね。

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