シロアリといえば、床下などの地面から侵入してくるイメージがありませんか?しかし、シロアリの種類や、住宅の状況などによっては2階以上でもシロアリの被害を受ける可能性はあるのです。本記事では2階にもシロアリが出る理由と対処法についてご紹介します。
シロアリは2階以上の場所も出現する
住宅の床下や1階部分に多いシロアリ被害。では、どのようにして2階以上の場所にも出現するのでしょうか。まずは2階以上でシロアリが出るパターンを見てみましょう。
1階から2階に移動してくるパターン
まずは床下等から侵入したシロアリが、壁や柱を経由して2階へ上がってくるパターンです。この場合、2階でシロアリを発見した時点ですでに1階部分は深刻な被害を受けている可能性があります。1階の基礎や柱が食い荒らされスカスカになった状態だと地震で倒壊するリスクもありとても危険です。
2階まで移動してくる前に早期発見したいですね。
2階に直接来るパターン
羽アリが飛んできて直接2階に侵入するケースもあります。特に春から秋頃は新たな住処を探す羽アリが発生する時期なので、家の近くで羽アリを見たら注意が必要です。
羽アリは条件が揃えば10階くらいの高さまで飛べるので高層階でも油断はできません。
なぜシロアリが2階に来る?
1階で発生することの多いシロアリですが、なぜ2階以上の場所にも現れるのでしょうか。2階以上でシロアリが発生する理由を見てみましょう。
湿気が多い
シロアリは湿度が高い場所を好みます。そのため、床下だけでなく2階部分でも湿気が溜まっていると水分を求めて上へとあがってくることがあります。特に、雨漏りをしていたり、2階部分で漏水があったり、窓が結露していたりと木材へ水分が浸透する原因があれば早めに対処しておきましょう。
好む食材がある
シロアリは基本的に木材であれば何でも食べますが、なかでもやわらかい木材が好物です。マツ材などのシロアリが好む木材が2階に使われている場合、食材を求めてどんどん上へ上へと食べ進んでくることがあります。
新たな巣を探している
気温と湿度が上がってくると、巣の中が過密状態にならないよう一部のシロアリが羽アリとなって新たな巣を探して飛び立ちます。群飛した羽アリは新たな巣を見つけると再びそこで個体数を増やしていきます。
2階に出るシロアリの種類
次に、2階に出る可能性のあるシロアリの種類について解説します。日本には20種類以上のシロアリが生息しています。そのなかで2階に出ることがあるのは「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種類です。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは日本全国の幅広いエリアに生息し、最も被害件数の多いシロアリです。他のシロアリと比べると寒さに強いのが特徴です。
1階から2階へ上がってくることは稀ですが、水分を好むため2階で雨漏りや漏水があると水分を求めて2階まで到達することもあります。
また、ヤマトシロアリは4月〜5月頃に羽アリとなって新たな巣を探します。特に雨上がりの湿度が高い日中に大量発生しやすいので注意が必要です。
イエシロアリ
イエシロアリは、ヤマトシロアリと並んで被害の多いシロアリですが、寒さに弱いため西日本以南の暖かい地域にのみ生息します。
繁殖力が高く、水を運ぶことができるのが大きな特徴です。乾燥した木材でも自ら運んできた水分で木材を湿らせてやわらかくして食べるため、2階が乾燥していても発生する可能性があります。
羽アリとなるのは6〜7月頃で、日中に飛ぶヤマトシロアリと違い、夕方から夜にかけて飛び立ちます。
一度住み着くとあっという間に食害が広がるので見つけたらすぐに駆除することが重要です。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリはアメリカ原産の外来種で、生息数は少ないものの他の2種とは違い湿った木材ではなく乾いた木材を好んで食べるシロアリです。
6〜9月に羽アリが発生し、長期間にわたって何度も群飛します。2階だけが被害にあっている場合には、このアメリカカンザイシロアリによる被害の可能性が高いです。木くずのように見える糞が特徴で、住宅や家具の木材の近くに木くずのようなものが落ちていたらアメリカカンザイシロアリが住み着いているかもしれません。
2階に出たら早急に業者に依頼
万が一2階でシロアリを発見した場合、すでに1階も被害にあっている可能性があります。特に家を支えている柱に被害があれば住宅の強度に大きなダメージを受けているかもしれません。被害を拡大させないためにも、2階でシロアリを見つけたらすぐに業者へ連絡して駆除してもらいましょう。
業者へ依頼すると費用がかかるため自分で駆除しようとする方もいらっしゃいますが、柱や壁、床下などに潜むすべてのシロアリを駆除することは非常に難しい上に、逃げたシロアリがより奥へ奥へと進んでしまい逆に被害を拡大させてしまう恐れもあります。
費用はかかってしまいますが、大切な家と家族を守るためには信頼できる業者へ依頼するのが安心です。
まとめ
2階以上でもシロアリは発生することがわかりましたね。また、2階が被害にあっても1階にはほとんど被害がない場合もあります。慌てずに状況を確認し、業者へ対応を依頼しましょう。
住宅生協では、シロアリのご相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。