様々な住宅トラブルの中でも、一番起こりやすいトラブルが雨漏りです。
雨漏りは、建物に被害を与えるだけでなく、対応が遅れると害虫が発生する原因となったり、カビによる健康被害が出たり、漏電による火災が発生してしまったりという二次災害につながる可能性もあります。
小さな雨漏りから大きな被害が出てしまわないように、本記事では屋根からの雨漏りについて、原因や解決策を詳しくご紹介します!
そもそも屋根ってどういう構造なの?
屋根の構造をご存知でしょうか。屋根は普段あまり目につきませんが、建物を守ってくれている大切な存在です。まずは構造を知っておくことで、雨漏りについてより理解がしやすくなりますよ。
①垂木
屋根を支える基礎となる構造材です。ここが屋根の基礎となります。
②野地板
次に垂木の上に屋根の土台となる野地板を乗せます。
③ルーフィング(防水シート)
野地板の上にはルーフィングと呼ばれる防水シートを貼り付けます。このルーフィングが雨漏りを防ぐための重要な役割を果たしています。
④屋根材
そして最後に乗せるのが普段私たちも目にすることができる屋根材です。瓦やスレート、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングルなど様々な種類があります。
なぜ雨漏りが発生するの?
それでは次に、なぜ雨漏りが発生するのか。その原因について詳しく見ていきましょう。
屋根全体の経年劣化
時間の経過とともに、雨風や紫外線、湿気などの様々な要因が重なっていくことで屋根材がずれたり、ヒビが入ったり、浮いてしまったり、釘が浮いたりといったことが起き、雨漏りへとつながってしまいます。
雨仕舞板金の劣化
雨仕舞は雨水が屋内に侵入するのを防ぐためのもので、防水ではなく排水する役割があります。この雨仕舞の板金が劣化してしまうと排水がうまくできなくなり、雨漏りへとつながります。
ルーフィング(防水シート)の劣化
ルーフィングは屋根材の下に敷く防水シートです。ルーフィングがあるおかげで屋根材の隙間から内部に入った雨水が野地板に染み込むことなく排水されます。しかし、このルーフィングが劣化し、破れたりすると雨水が侵入し、雨漏りの原因となります。
ベランダのヒビ
ベランダのヒビを放置していると、そこから雨水が染み込んで雨漏りを起こすことがあります。ベランダにヒビができる原因は主に経年劣化ですが、小さいヒビでも放置していると雨漏りを引き起こし、大きな修繕が必要になることもあります。
給水管からの破損
雨漏りは基本的に屋根や外壁など外部とつながっている場所が原因で起こるものですが、稀に住宅の内部が原因で起こることもあります。それが配管トラブルです。
上水道の給水管や、下水道の排水管など、これらの配管周りで経年劣化などにより水が漏れてしまうことで起こります。これは雨漏りではなく漏水と呼ばれ、放置するとダニなどの害虫が発生したり、家電の近くで起これば漏電の可能性もあります。
漏水の場合、給水管周りの破損であれば水道代が高騰する、排水管周りの破損であればひどい悪臭がする、といった特徴がありますので確認してみましょう。
特に天井や壁でなく、配管周りが濡れているという場合はこの漏水の可能性が高いので早めに漏水箇所を確認してすぐに対処しましょう。
施工不良によるもの
雨漏りの原因は経年劣化が多いですが、もし新築なのに雨漏りが発生した場合には施工不良が疑われます。
適切な防水処理がされていなかったり、建築材の取り付けが不適切だったり、排水システムが不適切であったり、もしくは品質の低い建築材を使用したことが原因と思われます。
施工不良があれば、雨漏り以外にも様々なトラブルが発生する危険性があるため、大切な住宅は必ず信頼のできる業者に施工してもらいたいですね。
雨漏りを未然に防ぐための方法
雨漏りが発生してしまうとその後の対処は大変です。できれば雨漏りは未然に防ぎたいものですよね。では、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。
屋根の形状に気を付ける
屋根の形は、住宅の外観で大きな部分を占めるためデザインにこだわりたいという方も多いかもしれません。
ですが、デザインばかりにこだわっていると機能面で大きな支障が出る場合もあります。屋根の形は水捌けの良さにつながり、雨漏りにも大きく影響しますので、しっかりと確認しておきましょう。
一般的には切妻屋根と呼ばれる、屋根の頂上部が一直線で山形に2方向へ落ちるオーソドックスな形が一番雨漏りに強いと言われています。
建材の継ぎ目が多いほど雨漏りのリスクが上がるので、雨漏りしやすい家といえるでしょう。また、継ぎ目が少ないとメンテナンスのしやすさにもつながります。
板金は耐久性の高いものにする
屋根の頂上や縁など雨水が侵入しやすい部分には板金と呼ばれるものが設置されています。この板金が劣化してしまうと雨漏りの原因となるため、耐久性の高い板金を使用することが雨漏りを防ぐためには効果的です。
板金は雨水が溜まりやすく、風などの影響を受けやすい屋根の弱点となる部分に取り付けられているので一番劣化しやすく雨漏りの原因となりやすいのです。定期的に点検は必要ですが、あらかじめ耐久性の高い板金にすることで長く雨漏りから住宅を守ってくれます。
ルーフィングは耐久性の高いものにする
屋根材の下に敷くルーフィングにも様々な種類があります。基本的には、金額の高いものほど効果も高くなります。また、メンテナンスの期間も伸びるため、長い目で見れば高価なルーフィングの方がメンテナンスや雨漏りの心配も減るのでお得な場合もあります。
ルーフィングの素材によって、それぞれのメリット・デメリットがあるため、施工前に業者とよく相談しておくと良いでしょう。
金属屋根にする
屋根材の中ではガルバリウム鋼板などの金属屋根が比較的雨漏りに強いと言われています。ただし、屋根面の平らな部分では金属屋根が一番雨水が侵入しにくいのですが、継ぎ目からはどんな屋根材を使っても雨漏りのリスクはありますので定期的な点検は必要です。
雨漏りになったらすぐに業者に連絡しよう!
冒頭でもお伝えしたように、雨漏りが発生すると様々なトラブルが引き起こされます。もし、お住まいの住宅で雨漏りの可能性がある場所を発見したら被害が拡大する前に、すぐに業者へ連絡するようにしましょう。被害が大きくなればなるほど修繕費用も高額となってしまいます。
良い業者と悪い業者の見極め方
雨漏りの修理や点検をしてもらう時はやはり信頼のできる業者へお願いしたいですよね。賃貸の場合には大家さんや管理会社へ連絡すると思いますが、持ち家であれば自分で業者を探さなければなりません。
ただし、持ち家であっても保証期間内であれば無償で修理をしてくれる場合もありますので、施工を担当したハウスメーカーに一度問い合わせてみると良いでしょう。
それ以外で工務店やリフォーム会社から選ぶ場合には、雨漏り修理の実績が多いところを選ぶとよいでしょう。
実績が少ないと雨漏りの原因を特定できなかったり、きちんと修繕ができないという可能性があります。また、本来は必要ない大掛かりな工事を勧めて高額な料金を取る悪徳業者もいますので、口コミやホームページなどを確認して信頼のできる業者へお願いするようにしましょう。屋根が原因の雨漏りの場合には、屋根についての知識や経験が豊富な屋根専門の業者にお願いするのもいいですね。
まとめ
いかがでしたか?
住宅トラブルの中でも比較的起こりやすい雨漏りについて解説しました。雨漏りを未然に防ぎつつ、万が一雨漏りしてしまった時にはすぐに業者へ連絡するようにしましょう。また、早期発見のためにも定期的な点検はかかさず行うとよいですね。