
大切な家を食べてしまうシロアリ。そんなシロアリを発見するひとつの目印となるのが「フン」です。シロアリのフンについて、見分け方や特徴、そして見つけた時の対処法などを詳しく解説します!
家にフンのようなもの…それ、シロアリかもしれません

家の中で砂粒のようなものがまとまって落ちていたら…それはシロアリのフンかもしれません。シロアリのフンを見つけた時にはすでに住宅の一部が侵食されているということ。
そのため、被害が拡大する前にできるだけ早く対処しなくてはなりません。
まずは、シロアリの分の見分け方や特徴を確認してみましょう。
シロアリのフンの特徴とは?

シロアリにはたくさんの種類がありますが、なかでも家でフンを見つけた時は「アメリカカンザイシロアリ」が発生している可能性が高いです。アメリカカンザイシロアリはもともと日本には生息していませんでしたが、海外から輸入した家具にくっついて日本に入ってきました。それ以降、関東から九州地方にかけて生息が確認されています。
その他のイエシロアリやヤマトシロアリは、フンを床下に落としたりフンと泥を混ぜて蟻道を作ったりするため、フンを見かけることはほとんどありません。そのため、シロアリのフンを見つけた場合にはまずはアメリカカンザイシロアリの発生を疑いましょう。アメリカカンザイシロアリのフンの特徴は以下の通りです。
見た目
パッと見は砂粒のようですが、0.5〜1mmほどの俵形でよく見ると表面に6本の筋があります。
色
黄色やベージュ、茶色から黒まであり、食べた木材によってフンの色が変わります。
匂い・手触りは?
匂いはなく、乾燥していて硬いのが特徴です。
出現場所の傾向
シロアリのフンが落ちていることが多いのが、柱の根元や畳の下、玄関、屋根裏、廊下、押入れなど。シロアリのエサとなる木材の近くにまとまって落ちていることが多いです。
他の害虫のフンとの違い

シロアリのフンの特徴がわかったところで、他の害虫のフンとの違いも確認しておきましょう。
クロアリやゴキブリとの違い
・クロアリ…クロアリのフンはシロアリよりさらに細かい粉状の黒いフンです。
・ゴキブリ…ゴキブリのフンはシロアリよりやや大きい1〜4mm程度の黒い粒状です。病原体が含まれているので見つけたらすぐに掃除をして消毒しましょう。種類によってフンに臭いがあるものもあります。
・ネズミ…種類によって大きさや形はまちまちですが、5mm〜2cmほどの長細い形で黒っぽい色をしています。ネズミはなんでも食べるので独特な強い臭いがあるのが特徴です。
ヒラタキクイムシ
ヒラタキクイムシもシロアリと同じように木材を食べる害虫のひとつで、広葉樹のみを食べます。4〜8月頃、成虫になったヒラタキクイムシは木材の表面に穴を開けて出てきますがその時に白っぽい細かい粉状のものが穴の周りに排出されます。
その粉がフンと木屑が混ざったものです。フローリングや木製の家具などに被害が多く、穴とともにシロアリのフンより細かい粉状のものがあればヒラタキクイムシの存在を疑ってみましょう。
ダニとの区別のポイント
ダニの死骸もまたシロアリのフンと同じような大きさなので似ていますが、主に布団やマットレス、カーペットなどの付近で発生します。また、シロアリのフンのように一ヶ所にかたまっているのではなく散らばって落ちています。寝具の近くに白い粉状のものが散らばっている場合にはダニの死骸の可能性が高いでしょう。
シロアリのフンを見つけたときにやってはいけないこと

シロアリのフンを見つけたときにやってはいけないことがあります。被害が拡大してあとで大変なことになってしまうので必ず覚えておきましょう。
掃除して終わらせる
シロアリのフンを見つけたら、木材の内部が侵食されている証拠です。フンを掃除しただけで終わりにしてしまうと、木材の内部の侵食は進み、さらに被害が拡大してしまいます。シロアリは見つけたらすぐに駆除をするのが鉄則。フンを見つけたらすみやかに被害箇所を特定し、対処しましょう。
殺虫剤で済ませようとする
シロアリのフンが落ちている近くの木材には、フンを落としている小さな穴が確認できます。そこで殺虫剤を使って駆除をしようと思う方も多いでしょう。
しかし、一時的にシロアリを忌避させることはできるかもしれませんが、殺虫剤では巣を丸ごと根絶させることはできません。また逃げたシロアリがさらに奥へ奥へと入り込んでしまうことで被害を拡大させてしまうことにもなりかねません。安易に殺虫剤で済ませようとせずに正しい対処が必要です。
見つけたらどうすればいい?正しい対処法

では、実際にシロアリのフンを見つけてしまったらどのように対処すれば良いのでしょうか。正しい対処法もご紹介します。
無料調査サービスの活用
シロアリが本当にいるのか、いないのか、まずは調査をするところから始まります。シロアリの調査は一部有料になることもありますが、基本的に無料でやってくれる業者が多いです。素人では正確な判断が難しいため、プロに任せるのが安心です。
また、自治体によっては、地域で無料点検を行っているところもありますのでお住まいの地域で調べてみると良いでしょう。
専門業者への相談・調査依頼の重要性
シロアリの駆除を業者へお願いするのはそれなりの費用がかかるため、自分でやりたいと考える方もいるでしょう。しかし、シロアリは普段人の目に見えないところで生息し、移動しています。そのため、建物の構造や、シロアリの生態、被害状況などをしっかりと考慮した上で駆除を行わなければならないため非常に難しい作業となります。
完全に駆除しきれずに、被害が大きくなってからではさらに大きな修繕費用がかかってしまうことにもなりかねません。ですから、シロアリを見つけた時はすぐに専門の業者へ相談し、調査を依頼するようにしましょう。
まとめ|フンを見つけたら、まずはプロに相談を
シロアリのフンの見分け方と見つけた時の対処法について、おわかりいただけましたでしょうか?大切な家を守るためにも、シロアリのフンを見つけた時はすぐにプロに相談しましょう。
住宅生協では住まいにまつわる相談を受け付けています。これは?もしかして?と思ったら、お気軽にご相談ください。