シロアリはゴキブリの仲間で、湿った木材を好んで食べる雑食性の昆虫です。通常、数万〜100万匹程度の群れで暮らしていて、一つの群れで一日に約70g。一年間で25kgもの木材を食べてしまうそうです。
湿気の溜まりやすい床下から繁殖することが多く、発生してしまうと家屋に大きな被害をもたらします。
一度シロアリの被害にあってしまった木材は元に戻すことはできませんし、修繕するとしても高額な費用がかかってしまうこともあります。また、シロアリに侵食されていると小さな地震の揺れでも土台が崩れて、家屋が倒壊してしまう危険もあるため気付かず放置してしまうと大変危険です。
そうならないためにも、まずはシロアリが寄り付きやすい家、そしてシロアリが寄り付かない環境を作るための方法を知っておきましょう。
シロアリが寄り付きやすい家とは?
換気口が少ない
換気口が少ないと、その分空気の流れが悪くなり湿気が溜まりやすくなります。そのため木材が湿ってしまう原因となってしまいます。湿った木材はシロアリの大好物になるので、しっかりと換気ができていないことでシロアリをおびき寄せてしまうのです。特に床下は家の中でも湿気が溜まりやすいところなので、換気口がきちんとついているか確認しておきましょう。
庭に植木や鉢植えをたくさん置いている
植木や植木鉢があると、それらを伝って土の中からシロアリが這い上がってきやすくなるので、庭に植木や鉢植えがたくさん置いてある家は注意が必要です。また、枯れ木や立木、切り株や杭といったものから蟻道と呼ばれる土の道を作り、その中を通って侵入してくることもあるため、植木が多くあることでシロアリ発生のリスクが高まります。
もし植木鉢を置いておく場合には、湿気が溜まらないよう同じ場所にずっと置きっぱなしにせず、定期的に動かしてあげるとよいでしょう。
木製の門扉を使っている
湿った木製の門扉やウッドデッキは、シロアリにとって絶好のエサとなりやすい場所のひとつです。木材以外の素材でできているものであれば心配ありませんが、もし木製の門扉をお使いであれば定期的にシロアリが発生していないか点検する必要があります。
部屋や押入れがジメジメする
家の中でも、特に湿気が溜まりやすいところがシロアリに狙われやすいところになります。そのため、ジメジメした部屋はシロアリが寄り付きやすい場所と言えるでしょう。
特に、お風呂場や台所、洗面所といった水周りや乾燥しづらい北側の部屋や閉め切った押入れ、床下などが要注意です。部屋や押し入れがジメジメしているなと感じたら、定期的に換気して湿気を溜めないように工夫しましょう。
シロアリが寄り付かない環境を作ること
シロアリが寄り付きやすい家がわかってきましたね。シロアリが発生してしまうと駆除をしたり、侵食された箇所を修繕したりと様々な労力が必要になります。そうならないためにも、シロアリの対策は、日頃から寄り付かない環境を作る「予防」が大切になってきます。
シロアリが寄り付かない環境を作る方法
では、実際にシロアリが寄り付かない環境を作るにはどんなことに気を付けたらいいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
屋外に木材やダンボールを放置しない
木材から作られているダンボールもシロアリのエサのひとつです。庭や物置などにシロアリのエサとなりやすい木材やダンボールを放置しておくのはやめましょう。置きっぱなしにしているうちに湿気が溜まり、それらがシロアリを引き寄せてしまうこともあります。なので、不要なものは屋外に放置せずになるべく早く処分するようにしましょう。
風通しをよくする
シロアリは、乾燥に弱い生き物です。風通しをよくしておくことで、シロアリの好きな湿気が溜まるのを防ぐことができます。換気口の前などに物を置いてしまうと、空気の流れが悪くなり湿気が溜まる原因となってしまうので注意しましょう。特に床下は家の中でも湿気が溜まりやすいところであり、シロアリの侵入経路となりやすい場所ですので常に風通しを良くして床下からの侵入を防ぎましょう。
水漏れや雨漏りがないかチェックする
シロアリの発生原因の多くが雨漏りによるものともいわれています。つまり、水漏れや雨漏りを防ぐことで、シロアリの発生も防ぐことができます。定期的にチェックをして、万が一水漏れや雨漏りを発見した時には被害が大きくなる前にすぐに対処するようにしましょう。
防除剤を散布する
シロアリが発生してしまった時に使う駆除剤というものがありますが、シロアリが発生する前の対策として「防除剤」というものもあります。防除剤には木材防腐剤も入っているものが多く、自分で散布することもできますが、専門の業者に任せた方が正確で長持ちします。使用する防除剤によって、効果のある期間が異なりますのでよく確認して定期的に散布しシロアリの発生を防ぎましょう。
シロアリが発生してしまった時の対処法
しっかりと対策をしていたつもりでも、気付かぬうちにシロアリが発生してしまうことがあるかもしれません。そんな時のためにシロアリの点検方法と発生した時の対処法も確認しておきましょう。
シロアリの点検方法
シロアリは放置すればするほどどんどん被害が拡大していくため、早期に発見したいですね。ここで点検方法を確認しておきましょう。
シロアリは風や光を嫌うため、直接見つけることは困難です。まず、床下や水回り、屋根裏、屋外にある木製のものなどシロアリが発生しやすい場所に蟻道がないかを確認しましょう。ぱっと見はただの土の塊のようにも見えるため、しっかりと良く見ることが大切です。次に壁や柱などの木材をたたいて、音を確認してみましょう。空洞音がすればシロアリがいる可能性があります。
他にも、羽アリがいる、床がギシギシ鳴る、畳がふわふわしているといったことがあれば、すでにシロアリが発生しているサインかもしれません。見つけたらすぐに点検が必要です。
一年に一回程度定期的に点検し、早期発見することで被害を最小限にとどめましょう。
シロアリ駆除の方法
予防はしていても、万が一シロアリが発生してしまった場合、どのように対処したらよいのでしょうか。まず、シロアリを発見した時に市販の殺虫剤を使うことはNGとされています。理由としては、シロアリが逃げて家の中に散らばってしまい、逃げたところで新たに巣を作るなどして被害が拡大してのちのちの駆除が大変になってしまうからです。シロアリを見つけた場合には、掃除機で吸い取る、またはビニール袋をかぶせるといった対応をしてからすみやかに専門の業者へ相談するのが良いでしょう。業者に頼むと費用がかさむので、できれば自分でやりたいと考える方も多いと思いますが、シロアリは木の中や土の中に生息しているので完全に駆除することはとても難しいです。そのためプロにお任せするのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?シロアリ被害は、木造の家だけではなく鉄筋コンクリート作りであっても被害にあう可能性はあります。住まいに合わせた適切な対策をして、大切な家をシロアリから守っていきましょう。