一度発生してしまうと家屋に大きな被害を与える、やっかいなシロアリ。梅雨の時期には特に注意が必要だといわれています。なぜ梅雨の時期にシロアリが発生しやすいのでしょうか。また発生しやすい場所や対策についても詳しく解説していきます。
なぜ梅雨時期にシロアリが発生するの?
シロアリは水分を含んだ木材を好むため、雨の日が増える梅雨時期は木材が乾きにくく、シロアリの好物である湿気を含んだ木材が増えることになります。
さらには、一年中見かけるシロアリですが特に20〜30℃くらいの気温で活発に活動するため、気温が上がってくるこの時期に地中から出てきて活発化し始めます。
暖かくなってくる春以降が羽アリとなって新しい住処を求めて飛び立つ時期でもあり、この時期に外から侵入してくる可能性も高くなります。
大切な住宅をシロアリの住処とされてしまわないようにするためにも、この時期にしっかりと対策をしておくことが重要です。
梅雨にシロアリが発生しやすい場所
次にシロアリが発生しやすい場所を確認しておきましょう。
キッチン、浴室などの水回り
水を使う水回りは、普段から湿気が溜まりやすくシロアリが発生しやすい場所です。
湿気が溜まりやすいだけでなく、水漏れや排水の詰まりなどもシロアリが発生する一因となります。普段からよく換気をして、定期的な点検をするようにしましょう。
和室
和室は畳が湿気を吸収しやすいため、シロアリが発生しやすい場所のひとつとなっています。除湿機を使用したり、可能であれば晴れた日に畳を干すとよいでしょう。
シロアリは木材だけでなく畳も食べるため、畳の上を歩いた時にふわふわとしている場合はすでに被害にあっている可能性が高いため、ひっくり返して裏側を確認してみましょう。
玄関先
玄関は木製のドア枠が土に面していることが多く、構造上シロアリが発生しやすい場所となっています。特に戸建ての住宅では注意が必要です。梅雨時期に雨で濡れた靴や傘を玄関に放置したりすると湿気がさらに溜まってしまいます。
濡れた物を置いておかない。ドアを開けて風通しをよくする。など湿気が溜まらないように工夫をしましょう。
また、定期的に玄関周りの木材に穴が空いていないか、叩いて空洞音がしないか確認するようにしましょう。木材とタイルの継ぎ目などはシロアリが通る蟻道が作られやすい場所です。土を固めたような道がある場合にはすでにシロアリがいる可能性がとても高いのですぐに対処が必要です。
梅雨にシロアリが発生しないようにするための方法
シロアリは湿度を好むことが分かりましたね。では、湿度が上がりやすい梅雨にシロアリが発生しないようにするためにはどのような対策をすればよいのでしょうか。
家の中の湿度を下げてシロアリが好まない環境を作る
まずは家の中全体の風通しをよくして、湿度が上がらないように気をつけましょう。
・こまめに換気をする。
・除湿機を使用する。またはエアコンの除湿機能を使う。
・押入れなど特に湿気が溜まりやすい場所には除湿剤を使う。
床下の湿度を下げる
次にシロアリの侵入経路となりやすい床下も湿度が上がらないように気をつけたい場所のひとつです。普段目に見えない場所なので湿気が溜まっているかもわかりにくい場所ではありますが、梅雨の時期は特にしっかり対策をしてシロアリの侵入を防ぎましょう。
・換気口を開けておく。換気口の前に物を置かない。
・床下換気扇を設置する。
・調湿剤をまく。
住宅の隙間をなるべく塞ぐようにする
シロアリは隙間を見つけて住宅の中へと侵入してくるため、外壁や床下などにひび割れがある場合にはパテ等で隙間を塞ぎ、侵入経路を断つようにしましょう。
隙間がなくても蟻道を作って侵入してくる場合がありますが、隙間があるとないとでは被害の拡大速度が変わっていきますのでできるだけ隙間を見つけたら塞いでおくのがよいでしょう。
家の周りにシロアリの好物になる木材を置かない
家の周りに放置された木材があると、雨に濡れてしばらく乾かずにシロアリをおびき寄せてしまうかもしれません。家の周りに必要のないものはできるだけ置かないようにしましょう。また、必要なものでもできれば定期的に場所を移動させるなどして乾かしておくといいでしょう。
他にもシロアリは木材だけでなくダンボールや発泡スチロール、プラスチック、電気ケーブルといったものまでエサにしてしまうことがあります。
そのため木材以外のものでも、家の周りに不要な物を放置しておくことはやめましょう。
定期的に住宅の点検を行う
気をつけて対策をしていても気づかないうちにシロアリが発生してしまったというケースもあります。発生から時間が経てば経つほど被害は拡大していくので、定期的に点検を行い、万が一シロアリが発生してしまっても早期に見つけられるようにしておきましょう。
以下のチェックポイントを参考に点検してみましょう。
・雨漏りや水漏れがないか
・羽アリがいないか
・木材の近くにフン(黒い砂のような粉状のもの)が落ちていないか
・蟻道はないか
・土台や柱を叩いてみて軽い音がしないか
・湿度が高すぎないか
ただし、シロアリの一番の侵入経路となる床下は、狭くて暗く危険なため慣れていない方は業者に頼むのが安全です。もしもご自身で行う場合には、マスクや手袋、ライトなどしっかりと準備をしてから行いましょう。
シロアリ駆除の最適な時期
シロアリは冬眠をせず1年中活動をしているので、基本的にはどの時期であれ、見つけた時は被害が拡大する前にすぐ駆除をするべきです。
ただ、動きが活発になる4月〜9月に最適な駆除方法もあります。それがベイト工法と呼ばれる方法です。ベイト工法とは、シロアリが好んで食べる毒性のある餌を専用の容器に入れて住宅内に設置し、それを巣に持ち帰って仲間と食べることで巣を丸ごと駆除する方法です。シロアリが動き回ることによって効果が出る方法のため、活発に動き回る時期に行うことで効果がでます。ベイト工法は効果が出るまでに時間はかかりますが、薬剤を散布しないので小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して行えるのが利点です。
まとめ
梅雨時期のシロアリ対策、いかがでしたでしょうか。
雨が降り続いたり、雨が降っていなくても曇りが多くじめじめと湿度が高くなる時期。湿度を好むシロアリにとってはいい季節です。発生しやすい場所やその対策をしっかりと確認して大切な住宅をシロアリから守りましょう!
住宅生協ではシロアリの予防や駆除も承っています。わからないこと、不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。