家のコラム

杉の家は後悔する?住んでわかった杉材のメリット・デメリット

軽量で加工がしやすいため、昔から住宅の建材としてよく使われている「杉」。この杉を使って建てた住宅にはどんな特徴があるのでしょうか。

住んでみないとわからない杉の家のメリットとデメリットを詳しく解説します!

杉の家で実感できるメリット

日本の伝統的な木造建築にも使われており、まさに日本の風土や気候に適していると言える杉材。国内でもたくさん植林されており、軽くて柔らかいので加工がしやすいのが特徴です。杉の家の大きなメリットは、コスト面と快適性にあります。それぞれ詳しくみていきましょう。

家計に優しい価格とコストパフォーマンス

杉材は比較的安価な価格と扱いやすさのバランスが魅力の一つです。まさにコスパに優れた建材といえるでしょう。ではなぜ杉の家は家計に優しい価格が実現できるのでしょうか。

他の無垢材と比較した初期費用

杉はもともと他の木材と比べて値段が低い上に、軽量で加工がしやすいことから加工費も安価に抑えることができます。そのため、他の木材と比較すると初期費用が抑えられるのが大きなメリットです。

一方で、柔らかいために傷つきやすいという面もあり、長く快適に住み続けるためには定期的なメンテナンスが必要になります。

国産材としての安定した供給と価格

杉は成長するスピードが早く、日本全国で多く植林されています。そのため安定的に供給できるので価格も比較的低く抑えられています。

ただし、産地などにこだわったブランド杉になるとお値段が上がります。同じ杉でも産地や材質による特徴もありますので選ぶ時に確認しておくと良いでしょう。

長期的なランニングコスト

何十年と住み続けると、光熱費やメンテナンス費、保険料といったランニングコストもかかります。家を建てる時には、初期費用だけでなくこのランニングコストのことも考えなければなりません。

杉の家は、調湿効果や断熱性に優れているため長期的にみると光熱費が抑えられると考えられます。

毎日の暮らしで感じる快適性

木目が美しく、木材ならではのぬくもりが楽しめる杉の家。毎日の暮らしで重要な快適性はどうでしょうか。

足裏に優しい柔らかな踏み心地

杉は柔らかいので、床材として使用すると足裏に優しい踏み心地で衝撃も緩和してくれます。さらに、杉は他の木材よりも多く空気を含んでいるため、夏は素足がひんやり気持ちよく、冬は足元が冷えにくくなります。

ただし、傷がつきやすいので物の落下や、家具の移動などには注意が必要です。多少の傷は味になると受け入れられる方にはいいですが、傷が気になってしまう方にはデメリットともいえるでしょう。

自然な調湿効果による室内環境

杉の木には他の木材と比べ高い調湿効果があるため、湿度の高い日には湿気を吸収し、乾燥している日には水分を放出します。そのため自然と一年中快適な室内環境をもたらしてくれます。この調湿効果と断熱性により、光熱費の節約にもなるでしょう。

心地よい木の香りとリラックス効果

杉には檜ほどは強くないものの、杉特有の爽やかな香りがあります。

杉の香りには鎮静作用やリラックス効果、安眠効果などがあると言われています。杉の家にすることで森林浴のような心地よい木の香りに包まれ、自然と家族がリラックスできる住まいになりますよ。

杉の家で直面するデメリットと対処法

杉の家には、メリットだけではなくデメリットもあります。家を建ててから後悔することのないようにあらかじめデメリットも把握しておきましょう。それぞれのデメリットをできるだけ回避するための対策についてもお伝えします。

日常使いで気になる弱点

杉の使い方や使う場所によっては、杉ならではの特徴が弱点となってしまうこともあります。日常使いの中でデメリットとなりやすいポイントを確認しておきましょう。

水回りでの使用制限

杉には調湿効果があり、湿気を吸収する性質があります。そのため、杉を浴室やキッチンといった水回りに使用する場合、常に湿度が高い状態にあると湿気を吸収し過ぎて腐朽してしまう可能性があります。また、水ハネを放置するとシミになってしまうこともあります。

水回りにはできるだけ杉を使わないようにするか、こまめな換気や防腐処理を行うなどの対策が必要です。

経年変化による色の変化

杉は、紫外線や経年劣化によって変色する木材です。黄褐色または赤褐色に変色したり、人がよく踏む部分は「浮造り」といって木目の模様が浮き出てくる現象が起こります。

この色の変化は杉の自然素材ならではの特徴でもあるので、年々出てくる風合いを楽しめるといいですね。また、変色が気になる場所では日当たりを避けたり、塗装をしたり、こまめにメンテナンスをしたりと対策もできるので、業者へ直接相談してみましょう。

傷つきやすさと上手な付き合い方

杉の傷つきやすさはすでに前述しましたが、塗装によってある程度は防ぐこともできます。ただし、塗装をすることで自然素材が持つ本来の風合いは薄れてしまいます。業者と相談しながら杉を使う場所や加工方法を決められるといいでしょう。

さらに無垢材は傷がつきやすいことを理解した上で、その傷が家族の歴史と共に味わいになっていくのを楽しめるといいですね。

住む人を選ぶ特性

杉の家は、合う人合わない人がいることから住む人を選ぶとも言われます。

アレルギー体質の方への注意点

「杉」と聞くと花粉をイメージする方が多いかと思いますが、杉の木材からは花粉は出ないため、花粉症の人でも問題なく生活することができます。ただし、まれに花粉症とは別に杉の木そのものの成分でアレルギーが出る方もいますのでアレルギー体質の方は注意が必要です。

杉の家を選ぶ前の最終チェックポイント

杉の家に決める前に、最終的なチェックもしておきましょう。

ライフスタイルとの相性診断

まずは杉の家が向いている人と向いていない人がいることをきちんと理解した上で、他の木材との比較検討もしてみましょう。

木材は種類や産地、加工によって特徴が異なります。ライフスタイルに合っているか確認しておきましょう。

その上で、やっぱり杉の家にしたい!と思うのか、やっぱり杉の家はやめておこう。となるのか、

また、そのためには業者選びも重要なポイントです。業者は理想の住まいを一緒に作り上げる大事なパートナー。親身になって話を聞いてくれ、信頼のできる施工業者を探しましょう。

まとめ

杉の家の特徴をご紹介しましたが、文章だけではなかなか杉の家の良さは伝えきれません。興味のある方は、まずはモデルハウスなどで実際に杉のぬくもりやあたたかさを感じてみるのがいいかもしれませんね。

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