屋根のリフォームは、家のリフォームの中でも比較的大がかりで時間も費用もかかるものなのでしっかりと下調べをしてから行いたいものですよね。
屋根は、既存の屋根材の種類や劣化状況によって適切なリフォーム方法やかかる費用なども変わってきます。そこで今回はご自宅の屋根が瓦屋根だという方へ、瓦屋根の気になるリフォーム方法について詳しく解説していきます!
葺き直しと葺き替え工事の違い
瓦屋根のリフォーム方法には、主に「葺き直し」と「葺き替え」の2種類があります。
葺き直しとは瓦屋根の場合にのみ施工可能なリフォーム方法で、瓦を全面的に一度はがしてからその下の下地を修理・交換し、またはがした瓦を元のように並べ直していきます。同じ屋根材を長く使えるのは、耐久性の高い瓦ならではの特徴です。
そして葺き替えは他の屋根材のリフォームと同様に、古い瓦をすべてはがしてから新しい屋根材を取り付けるリフォーム方法です。この機会に瓦以外の屋根に変えたいとお考えの方は、こちらのリフォーム方法が最適でしょう。
また、屋根全体を修理する必要がない場合には、部分的に瓦をはがしてそこだけ補修する部分修理も可能です。
ちなみに近年、価格的にも時間的にも手軽に屋根リフォームができると人気の「カバー工法(重ね葺き)」というものがありますが、こちらは基本的に軽量の屋根材に施工されるものなので、重量のある瓦屋根には不向きなリフォーム方法となります。ただし、災害時や予算がない時の応急処置として、粘着防水シートなどを使って部分的に破損した瓦をカバーすることはあります。
瓦屋根の種類と特徴
瓦屋根は、素材と形状によって種類が分かれています。それぞれの種類とその特徴について見てみましょう。
▼素材別
・陶器瓦
釉薬瓦とも呼ばれる陶器瓦は最も一般的な種類で、お皿や茶碗などの陶器と同じ工程で作られています。耐水性に優れており、50〜60年と長持ちすることが特徴です。釉薬を塗ることで好みの色に仕上げることができ、ツヤが出るので雨水も流れ落ちやすくなっています。
・いぶし瓦
いぶし瓦は主に社寺などの屋根に使われることが多い伝統的な瓦で、粘土から作られる瓦としては最も高級な瓦です。粘土で作った瓦を窯でいぶすことによって銀色〜黒色の独特な風合いを出しています。この色合いの元となる炭素膜には雨風から瓦を守る役割がありますが、時間の経過とともに流れてしまうため30〜60年でリフォームが必要です。
・素焼き瓦
粘土をそのまま焼いたものが素焼き瓦です。粘土そのものの赤い色合いが特徴で、素朴な風合いを好む方や、洋風の建物に合わせて明るい屋根にしたい方に選ばれています。耐用年数は40〜50年ほどで、上の二つに比べて軽量で安価なのも魅力の一つです。
・セメント瓦
粘土ではなくセメントを固めて作られる瓦をセメント瓦といいます。セメント瓦は角が角ばっているのが特徴で、粘土の瓦は焼く時に縮みやすく廃棄が出てしまうのに比べて廃棄が少ないのがメリットです。ただし、粘土よりも重量が重く耐久性も10〜20年と低いため、近年はセメント瓦を使う建物は減少しているようです。
・モニエル瓦
セメント瓦に着色スラリーと呼ばれる塗料が塗られているものをモニエル瓦といいます。着色スラリーが防水性に優れているため、セメント瓦よりは防水性がありますが、粘土の瓦に比べると耐久性は低くなっています。
▼形状別
・和瓦(J型)
最も一般的な屋根瓦の形状で波打つような自然なカーブが特徴です。保温性と換気に優れていて日本の気候に合った瓦といえます。
・平板瓦(F型)
フラットな形状の平板瓦は、見た目がすっきりとしているので和風建築だけでなく洋風の建築にも合う瓦です。個性的なデザインを希望する方に人気があります。
・スパニッシュ瓦(S型)
和瓦よりもさらに波打った形状なのがスパニッシュ瓦です。洋風の建築によく合い、こちらも保温性と換気に優れています。
瓦屋根のリフォーム費用
それでは最後に屋根瓦のリフォーム費用について見ていきましょう。
- 葺き替え…古い瓦を剥がして新しい屋根材に葺き替える/160〜240万
- 葺き直し…古い瓦を再利用して葺き直す/100万〜180万
- 部分修理…部分的に瓦を剥がして修理する/20〜50万
- 応急処置のためのカバー工法…応急処置として粘着防水シートで瓦をカバーする/10〜30万
リフォーム後も長く住むという方には、高額にはなりますが葺き替えがおすすめです。一方で雨漏りなどの場合には部分修理で比較的安く済ませることができることが多いので業者に相談してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
瓦屋根のリフォーム理由としては、主に
- 雨漏りがある
- 瓦が割れていたりずれている
- 別の屋根材にしたい
などがありますが、最適なリフォーム会社を見つけられるようまずは専門の業者へ相談してみましょう!