人生の中で最も高いお買い物と言えるのが、住宅購入です。
せっかく高いお金をかけて購入した住宅ですから、できる限り長い期間快適に暮らしたいと思うのは当たり前のことですよね。
住宅に長く住まうためには、日々の扱い方、要所要所での修繕などのポイントがありますが、中でも重要なのは、住人が高齢になった時に対応できる住まいかどうかという点にあります。
今回は、住宅の高齢化対策について見ていきましょう。
住宅のお悩み第一位は高齢化対策
生活協同組合・消費者住宅センター(以下住宅生協)が2019年に続いて実施した「お家の困ったことアンケート 2020」というアンケート調査の結果が出ています。
それによれば、回答者のうち3割近くが、「今住んでいる地域に長く住みたい」と回答し、「高齢になっても住み続けられる住宅にしたい」との回答も37.3%とかなり高い数値になっています。
このアンケート調査の結果からは、今住んでいる地域や住宅が気に入っていて、この先も長く住み続けたいと考えるからこそ、住宅の高齢化対策が必要だと心配している気持ちを読み取ることができますね。
住宅の高齢化対策主な内容
それでは、実際の住宅の高齢化対策にはどのようなものがあるのかをチェックしていきましょう。
住宅の高齢化対策の内容を一言で表すと、「バリアフリー化」ということになります。
バリアフリー住宅とは、高齢者だけに当てはまるものではなく、小さなお子さんや障害をお持ちの方でもスムーズに暮らすことができるように設備や生活パターンの動線を考えた住宅のことです。
主なバリアフリー化の内容としては、
1 家の中の段差をなくす
2 廊下やトイレ、浴室や階段等に手すりを設ける
3 バスタブや浴室の床には滑りにくい素材を採用する
4 玄関やトイレ内のスペースを広く取ったり、洗面台やシンクの高さを調節する
などが挙げられます。
体の自由が効かなくなってくると、最も多いのがつまずきや転倒による事故です。
そのために段差をなくしたり、立ち座りの発生する場所には手すりを設置するといったことが重要です。
また、車いすを使用する可能性があることを見過ごしてはなりません。
間口を広く取っておく、玄関の上がり框を低くする・スロープをつける、テーブルや洗面台・電気のスイッチなどを車いすに乗ったままでも使えるような高さに設定する、などの対策が必要です。
現時点では必要ないけれど、将来的には手すりを設置したい…という場合に備えて、建築の段階で壁に下地を入れておく、といったことも非常に有効です。
高齢者向けリフォーム時のポイント
では、実際に高齢者向けに住宅をリフォームすることが決まったら、特に気を付けた方が良い点はあるのでしょうか?
住宅の高齢化対策について詳細を検討し、必要な設備を選ぶことはもちろんですが、見積書をきちんと読み、適切な金額で適切な工事がなされるかどうかを見極めることがとても大切になってきます。
相手が高齢だからと説明ややりとりが雑になったり、手直しに応じてくれないなど、業者の対応に不満や不安を感じた方からの相談が近年増加しています。
手すりであれば、素材が何であるか、太さはどのくらいのものを設置するのかなど、具体的な内容を理解し、リフォーム工事を請け負う側との意思疎通がしっかりできることがリフォーム成功のカギを握っているといえるでしょう。
まとめ
今回は、住宅のお悩み第一位に挙げられる、住宅の高齢化対策の内容やリフォーム時のポイントについて見てきましたが、いかがでしたか?
これを機に、一度、あなたの大切な住宅にこれからも長く住むためにどんな対策が必要かをじっくり考えてみてはいかがでしょうか?