大切なおうちをシロアリから守りたい。そんな時気になるのが、シロアリがどこからおうちに侵入してくるのか?ということではないでしょうか。
隣家の取り壊しが始まったけれど、それによってそこにいたシロアリが我が家に飛んできてしまうのでは?お隣さんは古くから建っているおうちだからシロアリがいて、それが我が家にも入ってきてしまうかも?
そんな風にシロアリの侵入に不安を抱えている方も多いかもしれません。
今回は、シロアリがどんな生態の昆虫なのか、どこからおおうちに侵入してきてしまうのかについて見ていきましょう。
シロアリはもともと地面に生息している
そもそもシロアリは普段どこに住んでいるのでしょうか?
答えは、地面の中。シロアリは地面の中に住む昆虫です。
ですから、隣家にいるシロアリが飛ぶことでおうちに侵入してくることは基本的にはありません。
正確に述べると、シロアリは春から初夏に、活動範囲を広げるため羽の付いた羽アリを飛ばします。ですから羽アリが飛ぶことはありますし、そういった羽アリが室内に入ってくる可能性はゼロではありません。
しかし、そもそもシロアリが新たに巣を作るときの環境は、湿度の高い朽ちた木などが基本です。室内に飛んで入ってきたシロアリがおうちの中の木材にいきなり穴を開けて巣を作るということはないのです。
シロアリは、地面に巣を作り、地下を伝って移動していきます。つまり、自宅の床下にしっかりと対策をしてシロアリから守っておけば、隣家が古いから、取り壊した家があるからと不安になりすぎることはありません。
シロアリはゴキブリの仲間!?
ところで、地面に生息していて、名前にアリとついてはいても、シロアリはアリではないと知っていますか?
女王アリがいて(シロアリの場合には女王の他に王もいます)、その下に無数の働きアリが存在し、コロニーを形成するという点は確かにアリに似ていますが、そのほかは食性も生態も、普段よく見かける黒アリとは全く違う昆虫なんです。
シロアリはゴキブリ目シロアリ科に属する昆虫で、ゴキブリを先祖として生まれた虫。
一方アリの先祖はハチ類です。
シロアリは、アリが誕生するより以前、約3億年前にゴキブリから別系統に分かれ誕生するという長い歴史を持った昆虫でもあります。
シロアリの特徴や見分け方
シロアリはアリとは全く異なる虫であることがお分かりいただけたかと思いますが、シロアリを実際に見たことがないという方のためにシロアリの特徴について見ておきましょう。
アリの触角はL字型ですが、シロアリの触角はよく見ると球体が連なっています。ハチと同じようにアリの胴体にはくびれがありますが、シロアリはずん胴です。
最も見分けやすいとのは翅(=羽)で、アリもシロアリも羽アリの翅は4枚ですが、アリは後翅のほうが小さく、シロアリは前後の翅がほぼ同じ大きさです。
シロアリの翅はとても簡単に取れるようになっています。そのため、大量の翅が散乱しているとしたら、その近くにはシロアリが棲みついている可能性が高いため、注意が必要です。
まとめ
シロアリという名前はほとんどの方が聞いたことがあっても、実際のシロアリがどのような昆虫なのか、どういった生態を持っているのかについてはあまり知られていないかもしれません。
今回はシロアリの生態や、普通の黒アリとの違い・見分け方などをご紹介してきました。
大切なおうちをシロアリの侵入から守るためには、まず敵であるシロアリの生態について知っておくことで対策が立てやすくなりますし、過剰な心配をする必要もなくなりますよね。
ぜひ、これをきっかけにおうちのシロアリ対策を見直してみてください。