シロアリの駆除と聞くと、薬剤のよる人体への影響が少なからずあるのでは?と心配になる方が多いのではないでしょうか。特に赤ちゃんや妊婦さんのいるご家庭では、より不安に思う方が多いことでしょう。
そこで本記事では、シロアリ駆除で使用される薬剤の安全性についてと、赤ちゃんや妊婦さんがいるご家庭でのシロアリ駆除の注意点について解説します。
赤ちゃんや妊娠中でもシロアリ駆除は「安全」
多くの方が気になるシロアリ駆除の安全性ですが、薬剤の人体への影響は様々な実験によって「安全」が証明されています。
まずはこの安全性についてさらに詳しく見ていきましょう。
なぜ「危険」と思う方が多いのか
一般的に、シロアリ駆除の薬剤は「危険」であるというイメージが強いかと思います。それは、現在では使用が禁止されている有機塩素系の薬剤や有機リン系の薬剤が使われていた時代があったからです。
これらの薬剤は、シロアリへの効果は高かったもののシックハウス症候群といった健康への悪影響が報告されたため2003年以降は使用禁止となりました。
現在では、より安全な薬剤の開発が進み
・ネオニコチノイド系
・フェニルピロール系
・フェニルピラゾール系
・ピレスロイド系
・カーバメート系
・ホウ素系
といった薬剤が使用されています。
「公益社団法人日本しろあり対策協会」が審査を行い、安全性と効力が証明されたものだけをシロアリ駆除の薬剤として認定しているのです。
薬剤の安全性について
では、これらの認定を受けた薬剤はどのようにして安全性を確かめているのでしょうか。
①毒性の検査
まずは人が生活する場所で安全に使うために、毒性の検査をします。経皮毒性や経口毒性、発がん性がないかを短期・長期の検査から確認します。
②変異原性の検査
生物の遺伝情報に突然変異を起こすことがないか確かめる検査です。妊娠中または赤ちゃんのマウスやラットを使って、影響がないかを確認します。
③水生環境有害性試験
家や人体だけでなく、環境への悪影響も検査で確かめています。水生生物への影響や、水や空気、土壌への汚染などを検査しています。
④揮発性の有無試験
揮発性の高さを確認する試験です。揮発性が低いほど臭いが気になりにくく、安全性も高くなります。
「ベイト工法」も一つの選択肢
シロアリの駆除には薬剤を散布する他にも、薬剤入りの餌を地面に埋め込み巣に持ち帰らせて駆除をするベイト工法という方法があります。
ベイト工法には費用が高くつく、即効性がないといったデメリットもありますが、安全性が高いため赤ちゃんや妊婦さんのいる家では選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。
妊娠中や赤ちゃんがいる家のシロアリ駆除の注意点
シロアリ駆除の薬剤の安全性についてお伝えしてきましたが、用量や用法はきちんと守らなければ100%安全とは言い切れません。特に赤ちゃんや妊婦さんがいる家では施工時に注意すべき点がありますのでひとつずつ解説します。
点検口周りの巻き上げ
シロアリ薬剤の散布は、主に床下で行われます。施行中は床下のほこりが舞い上がってきたり、薬剤が空気中に混じっていることもあるのでできるだけ近づかないようにしましょう。
点検口からの落下
薬剤による影響以外にも、小さいお子さんがいる家では施行中の事故にも気をつけなければなりません。作業中は点検口が開いているため不用意に近づいてしまうと落下する危険があります。施行中は別の部屋で過ごすなど対策を考えておきましょう。
化学物質過敏症など特別な症状
シロアリ駆除の薬剤は安全性が認められているものの、人によってはアレルギー症状が出てしまうケースもあります。例えば、特定の化学物質に対して症状が出る化学物質過敏症。喉の痛みや、頭痛、めまいなどを引き起こす場合があります。
日常生活の中で芳香剤や洗剤、接着剤、塗料といった化学製品で気分が悪くなることがある方は注意しておきましょう。
まとめ
シロアリ駆除の安全性について、おわかりいただけましたでしょうか。
大切な家族が暮らす家だからこそ、安心して長く住み続けたいものですね。
安全にシロアリ駆除を行うためには業者選びも重要です。専門の知識と実績を持ち、安心して任せることのできる業者にお願いするようにしましょう。
住宅生協では、シロアリにまつわるご相談を随時受け付けております。不安なこと、わからないことがありましたらお気軽にご相談ください。