「こどもエコすまい支援事業」をご存知ですか?この事業は、現在政府が行っている、2050年までに温室効果ガスの排出を全体で「0」にするというカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みのひとつです。
他にも住宅にまつわる補助事業の3本柱として「先進的窓リノベ事業」と「給湯省エネ事業」もありますが、ここでは「こどもエコすまい支援事業」について詳しくみていきましょう。
これから家を購入したい、リフォームをしたいとお考えの方は補助金がもらえる可能性がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
こどもエコすまい支援事業とは
「こどもエコすまい支援事業」は、令和4年度補正予算として1500億の補助事業として国土交通省から発表されました。
エネルギー価格高騰の影響を受けやく、これから家を購入する可能性のある子育て世帯や若者夫婦世帯に向けて高い省エネ性能を有する新築住宅の取得を促したり、全世帯に向けて住宅の省エネ改修を補助することにより、省エネ性能を有する住宅の取得や改修を促進する事業となっています。
こどもエコすまい支援事業の対象と補助額
それでは、こどもエコすまい支援事業の対象とそれぞれの補助額について詳しくみていきましょう。
新築の場合
注文住宅の新築および新築分譲住宅の購入について、子育て世帯または若者夫婦世帯であること、こどもエコすまい支援事業を登録している事業者に限り補助を受けられます。詳しい対象は以下の通りです。
・子育て世帯とは
申請時点において、子(年齢は令和4年4月1日時点で18歳未満)を有する世帯。
・若者夫婦世帯とは
申請時点において夫婦であり、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯。
注文住宅の新築は建築主、新築分譲住宅の購入は購入者が補助の対象者となります。補助額は1住戸につき100万円です。
・こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約を締結する
リフォームの場合
リフォームは対象者が限られておらず、こどもエコすまい支援事業に登録している業者に頼めば誰でも補助を受けることができます。ただし、1住戸あたりの補助上限額が申請する世帯の条件によって変わります。
リフォームの対象となる工事
補助を受けられるリフォームの対象となる工事は、以下の通りです。
・対象となる工事
対象工事 | 説明 |
①開口部の断熱改修 | 省エネ基準、ZEH基準を満たすようにガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換する |
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 | 最低使用量を超える断熱材を使用してリフォームする |
③エコ住宅設備の設置 | 太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓、蓄電池の設置 |
この3つのうちいずれかの省エネ改修をすることが必須の条件となっています。
また、①〜③いずれかを行う場合に、以下の内容が追加で補助対象となります。
・《①~③いずれかを行う場合》リフォームの対象となる工事
対象工事 | 説明 |
子育て対応改修 | 家事負担を軽減に資する設備(ビルトイン食洗機、掃除しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機、宅配ボックス)の設置、防犯性向上や生活騒音の減少に効果のあるドアや窓ガラスへの交換 |
防災性向上改修 | 物が当たっても貫通しづらく、万一貫通・破損してもガラスが飛散しにくいガラス・外窓への交換 |
バリアフリー改修 | 手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張、衝撃緩和畳の設置といったバリアフリー工事 |
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | ハウスダストやPM2.5、花粉といった気になる空気中の汚れを綺麗にする機能や、窓を開けずに外部との空気交換ができるエアコンの設置 |
リフォーム瑕疵保険等への加入 | 万が一、リフォーム工事に欠陥が見つかった場合に無償で修理してもらえる保険への加入 |
さらに、リフォームで補助金を受け取る時の条件として「補助金額が5万円以上」であることもあげられています。
例えば、予定しているリフォームで合計の補助額が5万円に満たない場合には、他にも複数のリフォームメニューを追加するなどして補助金が合計5万円を超えるように設定する必要があります。
※ただし、例外として冒頭にもあげた「先進的窓リノベ事業」(経済産業省および環境省が実施)または「給湯省エネ事業」(経済産業省が実施)の交付決定を受けている場合に限り、補助額の合計が2万円以上であれば補助の対象となります。
補助金は実施する工事の内容に応じて、5万円〜60万円。子育て世帯又は若者夫婦世帯では、中古住宅を購入してリフォームする場合に最大60万円。リフォームのみの場合は最大45万円を受け取ることができます。
また、子育て世帯や若者夫婦世帯の対象でない世帯でも、安心R住宅(新耐震基準に適合などの一定の条件を満たした中古住宅)を購入してリフォームする場合に最大45万円。リフォームのみの場合で最大30万円を受け取ることができます。
こどもエコすまい支援事業の申請方法
申請手続きはすべて工事や販売をする事業者が行うことになっており、新築購入やリフォームを行う世帯は申請手続きに協力する共同事業者として扱われます。補助事業者が工事完了後にオンラインで事務局に申請して手続きを行います。
こどもエコすまい支援事業を申請する際の注意点
自分たちで申請することはできないため、住宅の購入やリフォームを依頼するときにあらかじめ補助事業者として「こどもエコすまい支援事業」に事業者登録を行っている事業者を選ばなくてはなりません。
注文住宅の新築の場合は、建築事業者。新築分譲住宅の購入の場合は、販売事業者。そしてリフォームの場合には、工事施工業者が全ての手続きと補助金の代理受け取りを行います。
登録申請を行っていない業者に依頼をした場合には、補助金は受け取れませんのでご注意ください。
対象となる工事の着手期間は2022年11月8日以降。
補助金の還元方法は、
①補助事業に係る契約代金(最終支払に限る)に充当する方法
② 現金で支払う方法
の2種類ありますが、原則①ということで、施工費や購入費から割引きになることが多いでしょう。
また、工事の完了や新築の完成・引き渡し後に補助事業者から事務局へ完了報告を行わなければなりません。
こどもエコすまい支援事業の申請期限
申請期限は2023年3月下旬から予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)となっています。
予算が上限に達し次第終了となってしまうため、できる限り早く申請を行うようにしましょう。なお、こどもエコすまい支援事業の公式サイトでは、現在の予算に対する補助金申請額の割合が掲載されていますので、事前にそちらを確認しておくとよいでしょう。
まとめ
こどもエコすまい支援事業について、ご理解頂けましたでしょうか。
少し複雑な制度となりますが、しっかり理解しておくことで新築やリフォームの費用が大幅に削減できるのでぜひ活用してみてくださいね!
また、住宅生協は「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業」の事業登録を行っています!補助金の対象になるのかどうか、いくらぐらい補助金がもらえるのかなど知りたい方は、ぜひ住宅生協にご相談ください。
現在、新築の購入やリフォームを検討中の方は、お早めに事業者へ相談することをおすすめします。