木材を食い荒らし、住宅に被害を与えるシロアリ。シロアリに食べられてしまうと、建物の耐久性が低下したり、駆除や修繕のために高額な費用が必要になったりするため、できることなら防ぎたいものですよね。
一般的に、湿度が高いとシロアリが発生しやすいと言われていますが、種類によっては影響を受けない木もあるのでしょうか?本記事では、シロアリに強い木材の種類についてご紹介します。
実は、シロアリが食べる木には好き嫌いがある
シロアリは、基本的にどんな木材でも食べてしまうといわれている木材の天敵です。そのため影響を受けない木はありません。しかし、何でも食べると言っても実は好き嫌いがあるのです。好きな木材と嫌いな木材ではシロアリ被害のリスクは大きく異なります。
では、どんな木を好み、どんな木が嫌いなのか詳しく見ていきましょう。
シロアリが好む木や木材は?
まずはシロアリが好む木や木材から見てみましょう。
そもそもシロアリはなぜ木材を食べるのでしょうか。それは、木材の主要成分であるセルロースを栄養源としているからです。
シロアリが好む木や木材の特徴は、密度が低く柔らかい木です。柔らかい木はマツやモミ、ホワイトウッドなどが挙げられます。
また、心材よりも辺材(心材は木材の中心部の色が濃い部分。辺材は外側の部分。)の方が細胞が若く柔らかいため、シロアリが好んで食べるといわれています。
シロアリに食べられにくい木や木材は?
では反対に、シロアリに食べられにくい木や木材にはどんな種類があるのでしょうか。
シロアリが好まない木には、テルペン類と呼ばれる防蟻効果のある精油成分が含まれており、テルペン類が多いほどより食べられにくい木であるといえます。
ヒノキ
日本では古来から高級建築材として使われているヒノキ。シロアリに強いと言われている代表的な木材です。ヒノキにはα-カジノール、ヒノキチオール、ピネンといったテルペン類が含まれています。これらがヒノキ特有の香りの元となっています。
ヒバ
ヒノキよりもさらにシロアリに強いと言われているのがヒバです。
ヒバ材にはヒノキチオールというテルペン類が多く含まれており、これが防蟻効果を発揮します。ただし、同じヒバでも産地によってヒノキチオールの含有量が異なるため、シロアリ対策としてヒバを選ぶなら産地まで確認しておくと良いでしょう。
スギ
スギは建築材として柱から天井まで広く使われており、ヒノキやヒバと並んで防虫効果が高いと言われている木材です。
濡れても腐りにくく、δ-カジネンというテルペン類が多く含まれています。
マキ
マキもスギと同じく湿気に強く、耐虫性のある木材です。特にシロアリ被害の多い沖縄県では一級建築材として使われています。
ローズウッド
ローズウッドは他の木材と比較すると硬いのが特徴です。硬いのでシロアリが避けたり被害にあっても進行が遅いため被害が拡大しにくい木材です。
ローズウッドにもモノテルペンアルコール類という防虫成分が含まれています。
シロアリ被害を受けたときは業者に依頼
シロアリに食べられにくい木材を紹介しましたが、最初にも述べたとおり、絶対に食べられない木は存在しません。
万が一シロアリの被害を受けてしまった時には、それ以上被害が拡大しないようすぐに業者へ依頼するようにしましょう。ご自身で駆除をする場合には、適切な処理が行われないと逆に被害を拡大させてしまう恐れもありますのでご注意ください。
まとめ
シロアリに強い木はあるけれど、木材の種類だけで完全にシロアリを防ぐことはできないことがわかりましたね。つまり、どのような木材を使ってもシロアリ被害の可能性をゼロにすることはできないということです。そのため、どんな家でもシロアリの被害を受けるリスクがあることは頭に入れておきましょう。
シロアリを防ぐためには、5年ごとにを目安に定期的な防蟻処理を行うことがおすすめです。住宅生協ではシロアリのご相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。