「先進的窓リノベ事業」をご存知でしょうか?
この事業は、現在政府が行っている、2050年までに温室効果ガスの排出を全体で0にするというカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みのひとつです。
他にも住宅にまつわる補助事業の3本柱として「こどもエコすまい支援事業」と「給湯省エネ事業」もありますが、その中でも特に「先進的窓リノベ事業」は人気を集めています。
そして人気がゆえにもうすぐ終了してしまうのでは!?とも言われていますので、気になる方はお早めにご確認ください!
それでは、「先進的窓リノベ事業」について詳しくみていきましょう。
先進的窓リノベ事業とは?
先進的窓リノベ事業とは、既存の窓をリフォームすることによって住まい全体の断熱性を高め、冷暖房費の負担を軽減(エネルギー価格高騰への対応)したり、CO2排出量削減への貢献、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的とした国の事業です。
高い断熱性を持つ窓への改修費用の1/2相当を上限200万円で補助してくれます。
先進的窓リノベ事業の対象条件
補助を受けるためにはいくつかの条件をすべて満たしている必要があります。
補助の対象となる条件をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
補助の対象になる方
先進窓リノベ事業の補助を受ける対象となるのは以下の二つの条件を満たした方です。
①窓リノベ事業に登録している事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をすること。
②窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること。
補助の対象になる住宅
補助の対象となる住宅は、建築から1年が経過している、または、過去に人が居住している既存住宅のみで、既存住宅であれば戸建てでも集合住宅でも対象となります。
補助の対象になる工事
補助の対象となるのは、以下のリフォーム工事です。
・ガラス交換
・内窓設置
・外窓交換(カバー工法)
・外窓交換(はつり工法)
さらに、事務局が一定の性能を満たすことを確認した対象製品を用いたリフォームであること、補助額が5万円以上であることも条件となっています。
ただし、以下に該当する場合には補助の対象にはなりません。
・ドアを交換する工事
・ドアの一部およびドアに付随する欄間に取り付けられたガラスを交換する工事
・店舗併用住宅等の住宅以外の部分の窓・ガラスの工事
・住宅の所有者等が住宅設備を購入し、その取り付けを住宅事業者に依頼する工事
・リース設備の設置工事
・中古品を用いた工事
先進的窓リノベ事業の対象期間
補助の対象となる期間は、工事請負契約日が2022年11月8日〜遅くとも2023年12月31日までであること、着工日が窓リノベ事業者における登録申請日以降であることが条件です。
先進的窓リノベ事業の補助金額はいくら?
補助額は開口部ごとのリフォーム内容に応じて金額が決まっており、その合計額が補助額となります。1戸あたり最大で合計200万円が上限とされています。
それではひとつずつ工事の内容と金額を詳しく見ていきましょう。
ガラス交換
既存の窓のガラスのみを取り外し、断熱性の高い複層ガラス等に交換する工事で、サッシは既存のものをそのまま利用します。
ガラス製品にはガラスの性能を表す「グレーコード」というものが記載されており、新しいガラスのグレーコードと既存サッシの組み合わせによって、性能区分が変わります。
補助額は4,000〜48,000円で、性能区分と窓の大きさによって決まります。
内窓設置
既存の窓の内側に新しい窓を設置する工事、または既存の内窓を取り除いて新しい内窓を設置する工事です。
補助額は30,000〜124,000円で、内窓の性能区分と大きさによって決まります。
外窓交換(カバー工法)
既存の窓のガラスを取り外し、既存の窓枠の上から新たな窓枠を覆い被せて複層ガラス等に交換する工事です。
補助額は窓の性能区分、外窓の大きさの他に住宅の建て方によっても金額が変わってきます。戸建て住宅または3階以下の低層集合住宅の場合は51,000〜183,000円。4階以上の中高層集合住宅の場合は38,000〜221,000円となっています。
外窓交換(はつり工法)
既存の窓のガラスと窓枠をすべて取り外し、新たな窓枠を取り付けて複層ガラス等に交換する工事です。
補助額はカバー工法と同様に、窓の性能区分、外窓の大きさ、住宅の建て方によって金額が変わります。
戸建て住宅または3階以下の低層集合住宅の場合は51,000〜183,000円。4階以上の中高層集合住宅の場合は52,000〜221,000円です。
先進的窓リノベ事業の申請の流れ
申請の流れについても確認しておきましょう。
補助金の申請は登録業者が行うため、リフォーム工事の発注者が自ら申請することはできません。
・申請の流れ
①窓のリフォーム工事の請負契約の締結
②共同事業実施規約の締結
③工事の着工
④交付申請の予約
⑤工事の完了・引き渡し
⑥補助金の交付申請
⑦実績報告
⑧補助金の交付
基本的には、工事が完了し引き渡しが行われてから事業者が補助金の交付申請を行いますが、契約工事のすべてが完了していなくても、補助の対象となるリフォーム工事が終了していれば交付申請を行うことができます。
また、工事の着工後から予約申請(3ヶ月間有効)ができるため、あらかじめ補助金の枠を確保しておくことができます。そのため工事の完了後に予算切れになってしまっていたというリスクが避けられます。
補助金は、事務局から登録事業者へ交付されるため、リフォーム工事の発注者には補助事業に関わる契約代金に充当する方法または現金で支払う方法のどちらかで還元されますのであらかじめ確認しておきましょう。
先進的窓リノベ事業で知っておくべきこと
ここでは、先進的窓リノベ事業について知っておくべきことを2つご紹介します。
こどもエコすまい支援事業との併用
同時期に国土交通省が行っている「こどもエコすまい支援事業」もありますが、補助対象が重複しなければ併用可能とされています。
先進的窓リノベ事業では対象にならない製品や型番でも、こどもエコすまい支援では補助の対象となる場合もありますので、うまく活用したいですね。
過去の記事で「こどもエコすまい支援事業」を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
複数回の工事でも申請可能
同一住宅で複数回リフォーム工事を行う場合には、上限額の範囲内であれば何回でも申請することが可能です。ただし、それぞれの申請ごとにすべての補助要件を満たしている必要があります。
まとめ
先進的窓リノベ援事業について、いかがでしたでしょうか。
窓をより性能の高いものへとリフォームすることで、断熱性が上がり電気代の節約になるだけでなく、結露が減ったり、防音性、防犯性が上がるといったメリットもあります。
このお得な機会に、窓をリフォームしてみてはいかがでしょうか
住宅生協では「先進的窓リノベ事業」「こどもエコすまい支援事業」の事業登録を行っています。補助金の対象になるのかどうか、いくらぐらい補助金がもらえるのかなどより詳しいことを知りたい方は、ぜひお早めに住宅生協へご相談ください。