住宅生協だより<夏号>より、大関事務理事の「いま、 生協の存在価値を改めて考える」の記事を紹介しています。
いま、 生協の存在価値を改めて考える(事務理事 大関 恵士)
新型コロナウイルス感染症の大流行に対して、世界90カ国350の医療関係団体や4,500人以上の個人が賛同し、 日米を含む20カ国・地域(G20)の首脳宛に公開書簡を出しました。
公開書簡は、 新型コロナ以前から地球温暖化がもたらす大気汚染、森林破壊、気候変動が人体をむしばんでいたこと、「現在進行中の悲劇は重層的であり、格差と公衆衛生システムの予算不足によって悪化している」ことを指摘しました。
そして、「真に健在な復興」のために、大気や水の汚染および気候変動をくい止め、もっとも脆弱な人々に気が配られ、だれも医療費が原因で貧困に追いやられることがないことを強調し、各国政府が経済対策を取るにあたり、「医療、交通、エネルギー、農業といった主要分野での投資では、健康の保護と増進がその中核に据えられなければならない」ことを提起しました。
新型コロナ後の世界は、「もう元の世界には戻れない。すでに始まったことが新しい日常になっていく」という意味で、「新常態」になったといわれています。
従前の利益追求型の市場経済の復活ではなく、「真に健全な復興」が「新状態」となり、格差や貧困、不平等が是正され、「持続可能な開発目標」( SDGs)の実現が加速される新しい社会に進むこと を願わずにはいられません。
このようななか、「人と人との助け合い」「地域でのつながり」を大切にし、共助と協同の社会づくりを目指す生協の一つとして、「住宅生協」は住まいづくりを事業の中核に据えて活動し、今年で45年を迎えました。組合員の住まいの困りごとに、これまで以上に専門性を生かして、 貢献できるように努めていかなければならないと考えています。
世界の協同組合員数は10億人、私たち住宅生協の組合員は1万2千人ですが、一人一人が自ら出来ることから、 まず一歩足を踏み出すことが必要ではないでしょうか。