施工事例・ご相談事例

手すりはどこにつける?高齢者のためのリフォームのポイントとは

「家の中のちょっとした段差につまづくようになった」「階段の上り下りが辛い」「視力が弱くなり自宅内でも移動が不安」など、住み慣れた我が家でも、歳を重ねるごとに住みづらさは出てくるもの。場合によっては大きな怪我につながることもあるため、なるべく早く解消したいですよね。

今回は高齢者向け住宅リフォームの中でも、手すりの設置場所やつけるメリットについて詳しく解説します。

手すりの役割とメリット

手すりは高齢者が安全に生活するために必要ですが、それ以外にも、介助者や本人にとってメリットがあります。まずは、手すりの役割と設置するメリットについて紹介します。

▼怪我の防止
手すりは転倒や転落の防止に使われることが多いです。高齢者はうまく体のバランスがとれず転倒しやすいだけでなく、骨折や後遺症といった大きな怪我につながる場合も多いでしょう。また、視力の低下により障害物や段差が見えず、転倒してしまうこともあるため、手すりがあると安心です。

▼立ち座りがしやすくなる
人の衰えは足腰からくると言われているため、ベッドから起き上がったり、階段を上り下りするような上下移動の動きは比較的早く辛いと感じる方が多いでしょう。最初のうちは4本足の杖を使うのもいいですが、使用頻度の多い日常生活の場では常設された手すりが便利です。

▼歩行を手助けし高齢者の自立を叶える
廊下などの移動導線上に手すりをつけることで、自宅内での移動を介助者の補助なしで行えるようになります。手すりにつかまって歩くと体の重みが足腰だけでなく上半身にも分散されるため歩きやすいのです。高齢者の中には少なからず介助されることに申し訳なさや心理的な抵抗がある方も多いので、「自分でできる」という気持ちは本人の負担軽減につながるでしょう。特にトイレや浴室など、プライバシーが重視される場所にあると精神的にも安心です。また、日常動作を自分で行ってくれれば、介助者の負担も減ります。

 

手すりはどこにつけるのが最適?

駅や公民館などの公共施設では、階段やトイレで見かけることの多い手すりですが、住宅内ではどこに設置すればいいのでしょうか。

▼設置例

・玄関

・廊下

・階段

・トイレ

・浴室

・ベッド

・自室

・リビングのソファーなど

段差がある箇所は、本人の身長にあわせた高さに手すりを設置します。また、ベッド、椅子、トイレ、浴室などの立ち座りを必要とする場所にもあると安心でしょう。そのほか歩行が困難な場合は、自室からトイレや浴室などの導線に沿って手すりをつけるのがおすすめです。

また、場所によって材質や形状も変える必要があります。床に対して水平なものが一般的ですが、立ち座りには縦型やL字型が姿勢を安定させやすいです。特に立ち座りでは力を入れて握ることが多いので、太さも気にするといいでしょう。素材は、プラスチックや木材のほか、ステンレスやアルミ、樹脂などがあります。屋外のスロープなど、劣化しやすい場所にはステンレスがおすすめです。そのほか、滑り止め加工や防水加工がなされたものもあります。

 

手すり設置の注意点

それでは、実際に手すりを設置する際にはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

まず最初に気をつけなくてはならないのは手すりの高さです。高さが合わないとうまく力を入れられません。一般的には、前から見たときに腰回りの一番出っ張っている場所である大腿骨大転子の高さに合わせるのが理想です。設置工事を行う前に一度本人に立ち会ってもらい、適切な高さを確認しましょう。難しい場合は、本人が使っている杖の高さなどを参考にするといいでしょう。

また、階段や玄関の段差などでは一概に腰の高さがいいとは限りません。手すりを引っ張りながら上がる方であれば、少し上に設置したほうが力を入れやすいです。また、高すぎても体重が後ろにかかって転倒の危険が高まります。

そのほか、色にも気をつけたほうがいい場合があります。色覚の老化により、壁と同じ色の手すりは見えづらいと感じる可能性があるためです。できるだけ本人の今の症状や普段の動作のクセなどから、なるべく事前に見本で確認しつつ、適切な場所に取り付けられるようにしましょう。

まとめ

設置を検討するのはご家族であることが多いでしょうが、使用する本人の状況や体格にあわせて、施工業者と相談しながら適切な位置、素材の手すりを設置しましょう。住宅生協では、手すりの施工業者のご紹介・ご相談が可能です。ぜひお問い合わせください。